10年に一度の貴重なアートイベント「Skulptur Projekte Münster(ミュンスター彫刻プロジェクト)」が開催中!

現在、ドイツの都市Münster(ミュンスター)にて、10年に一度しか開かれない貴重なスカルプチャーの展覧会「Skulptur Projekte Münster(ミュンスター彫刻プロジェクト)」が開催中です!

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このチャンスを逃したら10年後

ドイツの北西部にある街ミュンスターで開かれるこちらのイベントの特徴は、何と言っても10年に一度しか開催れないというその希少性でしょう。
記念すべき第一回目の開催は1977年と40年も前に遡りますが、今年を含めてもまだ5回目。
この彫刻プロジェクトが始まったきっかけは、実は少し意外な理由があります。
20世紀を代表するアメリカ人彫刻家George Rickey(ジョージ・リッキー)が自身の作品「Drei rotierende Quadrate」をミュンスター市内に展示したところ、大きな非難を浴びます。
この不満を解消し、パブリックアートに対する人々の理解を深めるために、Westfälisches Landesmuseum(ヴェストファーレン美術館)のディレクターであるKlaus Bussmannによって講演とプレゼンテーションが行われ、このプレゼンテーションの延長としてミュンスター彫刻プロジェクトのアイディアが誕生しました。

ミュンスターは保守的な地方都市だったため、ジョージ・リッキーのモダンで独創的な作品を受け入れられなかったというのが大きな理由だったそうです。よくわからない作品を自分が生活する街に設置して欲しくないという反対の声も多く出たそうで、パブリックアートがすべての人に支持されていた訳ではありませんでした。

しかし、この一連の出来事をきっかけにミュンスター市内の美術館、街中や公園など屋外にスカルプチャー作品を展示する展覧会「Skulptur Projekte Münster(ミュンスター彫刻プロジェクト)」が1977年にスタートしました。

回を重ねるにつれその規模は徐々に拡大していき、「ducument 14(ドクメンタ)」や「La Biennale di Venezia(ヴェネツィア・ビエンナーレ)」などに並ぶ、世界的なアートイベントとして認識されるようになりました。前回は約50万人もの人々がこの展覧会を訪れたそうです。

ミュンスター彫刻プロジェクトの一貫したテーマは「Public(公共)」です。スタートから40年経った今でもパブリックの領域に存在するアートの意義や社会との関連性を模索し続けています。彫刻作品はただ単に街中に設置される訳ではなく、招待作家は約2年も前からミュンスターの街を訪れてリサーチを行い、風景、歴史、住民などの様々な社会性と作品の関係を考察しながら制作していきます。「公共」をテーマにしているだけあり、住民からの理解なくしては成り立たないイベントであり、作品と人々の信頼関係を構築していく過程もこのプロジェクトでは重要なポイントではないでしょうか。

2017年の参加アーティストはこちら。

Ei Arakawa(日本)/ Nairy Baghramian(イラン)/ Aram Bartholl(ドイツ)/ Cosima von Bonin(ケニア)/ Andreas Bunte(ドイツ)/ Gerard Byene(アイルランド)/ CAMP(インド)/ Michael Dean(イギリス)/ Jeremy Deller(イギリス)/ Nicole Eisenman(フランス)/ Ayse Erkmen(トルコ)/ Lara Faveretto(イタリア)/ Hreinn Fridfinnsson(ドイツ)/ Gintersdorfer/Klassen(ドイツ)/ Pierre Huyghe(フランス)/ John Night(アメリカ)/ Xavier Le Roy with Scarlet Yu(フランス&香港)/ Justin Matherly(アメリカ)/ Samuel Nyholm(スウェーデン)/ Christian Odzuck(ドイツ)/ Emeka Ogboh(ナイジェリア)/ Peles Empire(ドイツ)/ Alexandra Pirici(ブカレスト)/ Mika Rottenberg(アルゼンチン)/ Gregor Schneider(ドイツ)/ Thomas Schutte(ドイツ)/ Nora Schultz(ドイツ)/ Michael Smith(アメリカ)/ Hito Steyerl(ドイツ)/ Koki Tanaka(日本)/ Oscar Tuazon(アメリカ)/ Joelle Tuerlinckx(ベルギー)/ Wagner&de Burca(ドイツ)/ Cerith Wyn Evans(イギリス)/ Herve Youmbi(中央アフリカ共和国)

開催国だけあり、ドイツ出身のアーティストが多いですが、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、アメリカなど世界中から著名な作家が招待されています。

今年はミュンスター彫刻プロジェクトだけでなく、2年に一度の国際美術展覧会「ヴェネツィア・ビエンナーレ」、

イタリアのヴェネツィアにて、現代アートの国際美術展覧会「La Biennale di Venezia(ヴェネツィア・ビエンナーレ)」が、...

5年に一度の世界最大の現代アート祭「documenta(ドクメンタ)14」も同時期に開催されているというアートファンにはたまらないビックイヤーとなっています。

2017年はアートイヤーとも呼べる年。 「ヴェネツィアヴィエナーレ」、「ミュンスター彫刻プロジェクト」、そして「documenta(...

ドクメンタは同じドイツ国内ですし、ヴェネツィア・ビエンナーレもイタリアなのでドイツからもそれほど遠くはありません。この三代アートイベントを一度に味わってしまうというプランを立てている方も多いかもしれませんね。

会場までのアクセス

会場までは、ドイツ国内の主要な各都市の駅から「Munster (Westfalen)」駅までIC、ICE、ECといった電車で訪れることができます。
街の中心地にある「LWL-Museum fur Kunst und Kultur」美術館にはインフォメーションカウンターが設置されており、自転車のレンタルサービスなども行なっています。
作品が展示されている場所は、こちらのMAPからご確認いただけます。

また、「The Hot Wire」というサテライトイベントが開催されているMarl(マルル)という街まで無料のシャトルバスが出ており、10:00から14:00までの時間帯なら誰でも利用することができます。お時間があればそちらも合わせてチェックしてみてくださいね。

入場料は無料で、開催期間中はガイドツアーやワークショップなどのイベントも開かれています。詳細は公式ホームページからご確認ください。
会期は10月1日まで。今回のチャンスを逃すと次は10年後まで待たなければいけません…
どうしようか悩んでいる方、今からでもまだ遅くはありません。ミュンスター彫刻プロジェクトを今後の旅の予定に入れてみてはいかがでしょうか。

「Skulptur Projekte Münster」
会期:2017年6月10日〜10月1日
入場料:なし
住所:Domplatz 10, 48143 Münster
ホームページ:www.skulptur-projekte.de
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コメント

  1. 片山 淳 より:

    わかりやすく、楽しい記事をありがとうございます。ただ、ミュンスターのきっかけとなったアーティストがヘンリー・ムーアとありますが、これはジョージ・リッキーではないでしょうか?オフィシャルサイトのAbout(https://www.skulptur-projekte.de/#/En/Information)などの記述は、そうなっていますし、ご確認いただければと思います(ちなみに日本語版のウィキもヘンリー・ムーアになっていますが、英語版はジョージ・リッキーです)。

    • ryota より:

      ブログを読んでいただきありがとうございます。また、正しい情報のご提供もありがとうございます。
      ブログ内容は訂正しておきましたので、ご確認いただければと思います。引き続き当ブログを楽しんで頂けたら幸いです。

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