海外移住前の会社員時代、上司に言われた言葉に今の自分が思うこと

私が日本で会社員として働いていた時代に、会社の上司というか社長に言われたある言葉を先日ふと思い出しました。というのも、去年の8月末に会社を辞めてからちょうど今月で1年が経ち、過去と現在の自分が生活している環境を振り返る中で、自分が置かれていた立場をよく現している言葉だなぁと感じたからです。
今回はオランダ移住やヨーロッパに関する情報とはあまり関係ない内容になってしまいます。あくまで個人的な感想と体験談なので、意見はいろいろあるかと思いますが、気にならない方はお付き合いください。

スポンサーリンク

言葉の持つ本質

以前勤めていた会社に入社する際、その会社の社長とのミーティング兼食事会でこんなことを言われました。

「この会社はそれほど大きくはないけれど、一人一人が大きな歯車となって、それぞれ責任を持って会社を大きくしていこう。」

というような内容でした。意味合いとしては、社員みんながしっかり歯車のように噛み合って、上手に連動、連携してやっていこう。そして、それぞれの歯車が成長していけば、それに合わせて会社も成長していく。ということなのだと思います。
はじめこの言葉を聞いた時、少し引っかかる何かを感じましたが、まぁとにかく頑張ってやっていこうと決意して会社員生活をスタートさせました。
仕事では海外に行く機会も多く、非常に良い経験をさせてもらっていましたが、その会社で時間を過ごして行くうちに、次第に「歯車」という言葉の意味を良くも悪くも理解できるようになってきました。

仕事はとてもやりがいのあるものでしたが、休みも少なく、1ヶ月休みが取れないこともありました。数日まとめて休日を取ると「休みすぎだ。」と言われ、残業代はおろか、有給もありませんでした。
ただその環境は自分より長く働いている同僚にとっては当たり前で、不満を口にすればゆとり世代(自分はゆとり世代ではありませんが)だの、甘えているだの、最近の若いやつはだのと言われ聞く耳もなく、自分の意思とは裏腹に、周りが働けば自分もそれに合わせて働かなければいけないまさに「歯車」のような状態でした。

こんな感じのイメージでしょうか。

と冗談はさておき。
うちの会社は人が少ないから仕方がないなどの理由はただの言い訳で、会社の怠慢だと思います。仕事だからやる。というのはもちろんのことですが、休日、労働時間、残業代、有給などの制度を整えることもまた当たり前の会社の仕事です。
会社のための人間という考えが日本であり、人間がいるからこその会社という考えのオランダとでは、働き方の大きな違いを生んでいるのだなと実感しています。ニュースで過労死が取り上げられ、法の改革が進んでも、根本的な認識が変わらなければこのままではブラック企業は増える一方かもしれませんね。

もちろん同僚や上司、社長などの人柄が良く、彼らと良好な人間関係を築けるに越したことはありませんが、そういった事と労働環境が整っている事とはまた別の話です。
私が働いていた会社だけではなく、似たような体質の会社は日本には数多く存在し、本来当たり前であるはずの環境が、そうではない環境として「常識」となってしまっているなと感じます。

少し話が逸れましたが、「歯車」となって働くということは、自分の意思とは関係なく、周りが動けばそれに合わせて自分も強制的に働かされるようなものです。その逆もしかりで、もし誰かが無理やり止まれば、キシキシと不協和音を立てて、歯車は狂い始めます。そこに選択肢はありません。
海外に出張に行った際、仕事先の人に「君は奴隷のように働いているね。」と言われたことがあります。自分はそう思っていなくても、客観的に見ればそのように写っていたのだと思います。海外だと尚更かもしれません。

私は海外に移住したいという気持ちが強かったのもありますが、そういった強制的で日本的な労働環境から離れたいという気持ちも重なり、会社を辞める決意をしました。
ミーティングで「歯車」という言葉を聞いた時に私が感じた違和感とはこの単語の持つ「強制性」だったのかなと思います。本来話し手にそういった意図はなくても、言葉の本質は必ずどこかに現れているのだと思います。
会社のトップに立つ人や上司がどのような言葉で会社の理念を語っているのか、そこに違和感を感じた場合、自分の置かれている環境を今一度振り返り、本心と対話してみるのも良いかもしれませんね。

自分ならどんな言葉で伝えるか

ならもし自分が会社を経営する立場に立った時、目標を誰かと成し遂げたいと思った時、どんな言葉で相手に伝えるのだろうかと少し考えてみました。色々考えてしっくりときたのが、

「自分の足でしっかりと立つ、豊かな大木のようになってほしい」

でしょうか。ちょっとクサいですが…
小さな木の頃から地面に根をしっかり生やし、成長して幹も太くなるにつれ自身の軸も信念も少しずつ強くなり、枝や葉や果実が増えるほど、人間性の幅もスキルも増え豊かになっていく。
一見バラバラのように立っている木でも、それぞれが成長して大きな木になれば、やがて森になり、台風や大雨のような危機が来ても寄り添って協力しながら乗り越え、鳥などが羽を休める宿り木のように人々は集まり、それぞれが自立していながらも、支え合っているような関係性を築いていく。

なんだか宮沢賢治の雨ニモマケズ風ニモマケズ的な感じになってしまいました…
自分は誰かに何かを説くほどまだまだ立派な人間ではありませんが、地に足を着けて信念を持ちながら太く成長していく、サウイフモノニワタシハナリタイと思う今日この頃です。
皆さんならどんな言葉で、仕事や物事で一緒に何かを成し遂げたい人々に自分の気持ちを伝えるでしょうか。

海外での生活では色々なことがありますが、それを苦労だと思うことはほとんどありません。お金のやりくりもまだまだ大変ですが、ココロもカラダの健康も会社員として働いていた時よりも健やかな状態で生活できています。海外移住するということはあくまで選択肢の一つでしかありませんが、日本にも海外にも必ず何処かに自分の心が素直に、そして穏やかになれる場所があるはずです。

『雨ニモマケズ』宮沢賢治

雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ陰ノ
小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ朿ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒドリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ

スポンサーリンク
レクタングル広告大
トップへ戻る