旅先で読んでほしい本。岡本太郎「自分の中に毒を持て ―あなたは“常識人間”を捨てられるか」

国内外問わず、旅行に出かけたときは移動やふとしたときに本を読みたくなる人も多いのではないでしょうか。
そんな時にオススメの本が、「芸術は爆発だ」といった言葉や太陽の塔といった作品で有名な日本を代表する芸術家である岡本太郎が記した「自分の中に毒を持て ―あなたは“常識人間”を捨てられるか」です。1996年にこの世を去ってからも、彼が残した力強い生命力に溢れる言葉は、今でも人々の心を揺さぶります。それは単なる自己啓発本とは少しジャンルが異なるかもしれません。

本は重いから…と旅行の持ち物リストから外されがちかもしれません。私もオランダに来ると決めたときは、その重さゆえ泣く泣く多くの本を日本に置いてきてしまいましたが、この「自分の中に毒を持て」は移住のお供に持ってきた数少ない書籍の一つです。あとこちらの本、文庫なので気軽に持ち歩けるのも助かります。

芸術家に限らず、心に響く岡本太郎の言葉

岡本太郎は芸術家だから、アートに携わる人にしか彼の言っていることはわからないか、その答えは否です。
学生やどんな職業に就いている人であろうと、どんな立場にいる人でも彼の言葉は心に響いてきます。それは共感であったり、時には痛みを伴って伝わってきます。
1988年と30年近くも前に発売された書籍ですが、今でもその言葉は色あせることなく、むしろより一層輝きと力を強め、この時代に生きる人の心に響くのではないでしょうか。

なぜ岡本太郎の言葉は人々の心を揺さぶるのか。きっとそれは誰しもが心の奥に眠っている感情や思いを、彼の言葉を通してかなづちのようなもので叩き起こされるからなのかもしれません。

幼少の頃から自分が正しいと思ったことには決して信念を曲げない、まさに「出る杭は打たれる」存在だった彼は、孤独であり、自ら命を絶ちたいと思ったときもあったそうです。しかし、どんなに打たれても「出る杭」であり続け、自身の道を切り開いていきました。
「人生は世渡り」と「本当に生き抜く道」と二つあり、現在は大学に行くのも上手に世渡りするだけのお守りでしかない、楽に世の中に出るためのエスカレーターだ。子供の頃から教育ママに仕上げられていくなんて、初めから行き先の決まった「ハイウェイ・ドライブ」である。と本文の中で語っています。大学に行くことや企業で働くことを否定しているのではなく、そこに本心と生きる情熱をぶつけているかどうかということです。

芸術は爆発だ」という彼の言葉はあまりにも有名ですが、言葉だけが一人歩きをしてしまい、その真意を知らない人は多いと思います。
彼の言う「芸術」とは、決して絵画・音楽・小説というような職業的に分けられた芸事や趣味ではありません。それはあくまで芸術屋の作った商品でしかないからです。
真の「芸術」とは「生きることそのもの。人間として最も強烈に生きるもの、無条件に生命を突き出し爆発する、その生き方こそが芸術なのだと言うことを強調したい。」と語っています。この言葉を聞いて、まさに岡本太郎という人物そのものだなと思いました。そして、それは誰にでも当てはまり得ることでもあります。なぜなら誰しもが持っているものだからです。

この「自分の中に毒を持て」は、

1.意外な発想を持たないとあなたの価値は出ない
2.個性の出し方は薬になるか毒になるか
3.相手の中から引き出す自分それが愛
4.あなたは常識人間を捨てられるか

の4つの章に分かれています。どの章もわかりやすい言葉で書かれ、とても読み応えがあります。そして、どんな立場の人でも必ずグサッと胸に刺さる、もしくは心の奥底でくすぶっていた火が燃え上がるような言葉に出会うことができます。

人生の一瞬一瞬が選択で、常に険しい危険な道を歩んで爆発してきた情熱は、もしかすると岡本太郎だからこそできたことかもしれません。ただ彼の生み出すエネルギーとパッションは、この本を読んだ人の背中をきっと押してくれるはずです。

残念ながらこの本の魅力は、ここだけではほんの一握りしか説明しきれません…
実際に手に取って、岡本太郎の爆発とは何なのかを体感してもらえればと思います。

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