ストリートアーティスト vol. 13「CONOR HARRINGTON(コナー・ハリントン)」とは

今回はアイルランド出身のストリートアーティスト「Conor Harrington(コナー・ハリントン)」をご紹介します。
イギリスを中心にヨーロッパで年々と知名度が高まっているコナー・ハリントン。彼の作品のクオリティはもちろん、油絵のようなタッチで描かれるミューラル(壁画)は古典的でありながらも新しく、そのクールなイメージはストリートアートファンのみならず、作品を見た全ての人をうならせます。

過去と現在が融合した CONOR HARRINGTON の作風

コナー・ハリントンの作風の特徴は何と言っても、古典とハイパーモダンという対極的な表現がミックスされたスタイルでしょう。

現在はストリートで作品を残すことはもちろん、ギャラリーでのキャリアを急激に高めながら、アーティストとして高い評価を得ています。
日本人にもおなじみのファッションデザイナー、ポール・スミスも彼の作品を所有しています。イーストロンドンのあるストリートを通りかかったとき、偶然にも彼の作品が目に入り、すぐに気に入ってしまいました。調べるうちに「Conor Harrington」というアーティストだと突き止め、作品を購入したそう。一流デザイナーも虜にするほど、彼の作品には大きな魅力がある証ですね。

彼が描く巨大なペインティングは、ヨーロッパの古い巨匠たちからインスパイアされた現実主義的なイメージと、グラフィティーシーンで育んできた抽象的なイメージを融合させています。


その確かな技術をベースに、社会や政治といったテーマを表現する、若手ストリートアーティストの中でもニュータイプの人物と言えるでしょう。現代と過去を共鳴させるコナー・ハリントンの作品は、常に人々に驚きを与えています。

「Battle 4」を代表とする彼の初期作品は、いくつものレイヤーを重ねた最先端のグラフィティテクニックを使って抽象的な表現を強調しています。これは当時の急激なストリートアートの動きと、20世紀初期と中頃にヨーロッパで起きたアンチ・フィギュラティブアートの運動を比較したものです。

2008年に開催された「Weekend Warriors」展では、歴史的なコスチュームや記号を使って、当時の時事問題などをテーマにしています。

2010年にLazarides Galleryで開催された「Hell’s Half Acre」では、1656年に起こったオスマン帝国とマルタ騎士団が繰り広げた歴史上最も情け容赦ない、血塗られた戦いの一つとして知られる「マルタ包囲戦」を表現。

2012年の「Dead Meat」という展示では、革命後のフランスやアメリカの台頭など歴史的変化の流れを表現しました。彼の作品は歴史と深い関わりを持たせながら、そこに潜む現代の社会問題を同時にあぶり出していきます。
このエキシビジョンによって、コナー・ハリントンは現代アーティストとしても高く評価されるようになりました。

2013年に発表した「 L’Amour et La Violence」といった作品からは、これまでのようなレイヤーを重ねたエレガントな背景ではなく、黒を使うことによってより洗練されたイメージへと変わっていくようになります。

2016年には、ロンドンのPACEギャラリーにてソロショー「Watch Your Palace Fall」を開催。シンプルな背景に鮮やかな色彩が組み合わさり、アーティストとして確実に進化を遂げているのがわかります。

現在はイーストロンドンにスタジオを持ち、精力的に制作を続けています。キャンバス作品ももちろん素晴らしいですが、ストリートアートファンとしてはこれからも世界各地にミューラルを描いてほしいですね。

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