BANKSYの新たなプロジェクト 世界一眺めの悪いホテル「THE WALLED OFF HOTEL」がオープン

イギリス人ストリートアーティストBANKSY(バンクシー)が新たなプロジェクトをスタートさせました。
今回はなんと「The Walled Off Hotel」と呼ばれるホテルをオープン。BBCやCNNなどその他、世界各国の報道機関もすでにニュースで取り上げていますが、日本ではあまり話題になっていないかもしれません。The Walled Off Hotelとは一体何なのか、その詳細を少しご紹介していきたいと思います。

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BANKSYが手がける世界一眺めの悪いホテル

ホテルはベツレヘムにあるパレスチナ自治区とイスラエルを隔てる分離壁からたった5メートルの場所。元々は陶器の工房だった建物を改築しており、客室もわずか10部屋、一日に25分ほどしか日差しが入らず、ホテルのオーナーであるバンクシーは「世界一眺めの悪いホテル」と語っています。

「walled off」とは、「隔離された、壁で仕切られた」という意味の他に、ヒルトンが経営するラグジュアリーホテル「Waldorf-Astoria(ウォルドルフ・アストリア)」にも掛けた、何ともバンクシーらしいネーミング。
そして、このホテルは宿泊するだけでなく、彼の作品を楽しめるミュージアムやギャラリーでもあり、政治に対するプロテストでもあります。

まずホテルのレセプションに入ると、自動演奏のピアノが奏でる不気味な音楽が宿泊客を出迎えます。

上の宿泊階フロアに進むと、バンクシーの作品がいくつかデコレーションされています。その中の一つがこちら。イスラエルの兵士とパレスチナ人が枕投げをしてる壁画。実にバンクシーらしい作品です。

こちらはゼブラ柄のソファの上に描かれたチーター。

別の部屋からは以前バンクシーが分離壁に描いた壁画を見ることができます。

他にも様々な作品が展示されており、その数はここ何年かでは最大のバンクシーコレクションが集まるほどです。
ちなみに3月11日からホテルのホームページにて予約がスタートし、20日から宿泊が可能になります。宿泊料金は最安で1泊30ドルからとなっています。

さらに3月5日には、ホテル開業を記念して、イギリス人ミュージシャンElton John(エルトン・ジョン)によるビデオ中継でのライブパフォーマンスが披露されました。
その様子がこちら。

このプロジェクトにおけるBANKSYの真意とは

バンクシーは「アメリカ大統領ドナルド・トランプによって、今は壁(メキシコとの国境に建設すると提唱している)の話題がホットだけど、自分はそれよりもずっと前から壁に向き合っている。」と語っています。
実際に十数年も前からベツレヘムを訪れては、ミューラル(壁画)を残し、作品を通して政治的メッセージを世界に向け発信していました。そして、彼の作品を見るために多くの観光客がその地を訪れるようになりました。

しかし、この地域は観光と巡礼者の訪問で経済が成り立ってましたが、イスラエルとパレスチナの領土間の旅行に関するイスラエルの統制がますます厳しくなっているために、それも荒廃しつつあります。

そのような背景から、今回のプロジェクトの本当の理由が見えてきます。それは、このThe Walled Off Hotelをオープンすることにより、雇用を生み出し新たな観光客を増やすこと。イスラエル政府は自国民にベツレヘムとその他の有名な観光名所を訪れることを禁止していますが、このホテルのある場所はイスラエルの管轄下にあるため、合法的にイスラエルの人々も利用することができます。
ホテルマネージャーであるWisam Salsaaさんも「このホテルを通してイスラエルの人々もパレスチナについて学んでほしい、そして、私たちの中にあるステレオタイプな思考を取り除いてほしい」と語っています。

さらに、ホテルではパレスチナ人アーティストの作品も展示され、社会情勢や政治的な理由から注目が浴びることが少ない人々にも光を与えています。

「Dismaland」以来の大きなプロジェクト「The Walled Off Hotel」。バンクシーはいつも我々の思考の一歩先を進み、驚きを与えてくれ、ストリートアートは破壊でもあり創造でもあるということを教えてくれるような気がします。次はどんな方法で私たちを驚かせてくれるか楽しみですね。

ストリートアーティストBANKSYについての詳しい記事はこちらから↓

これまでの記事でも何度かBanksy(バンクシー)について触れてきました。名前は聞いたことあるけど、彼が一体何者なのか知らない方も多いの...
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