ストリートアーティスト vol.8「NICK WALKER(ニック・ウォーカー)」とは

今回ご紹介するのは、イギリス出身のストリートアーティスト「Nick Walker (ニック・ウォーカー)」です。彼はグラフィティアートに真っ先にステンシルのスタイルを取り入れ、そのムーブメントを生み出した第一人者でもあります。
BANKSY(バンクシー)」などの著名なアーティストにも影響を与えたと言われるニック・ウォーカーとは、一体どのような人物なのでしょうか。

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イギリス人紳士のキャラクター「VANDAL」

ニック・ウォーカー作品にしばしば登場してくるのが「VANDAL」と呼ばれるイギリス人紳士風のキャラクター。

ハットとストライプのスーツを着たジェントルマンが街中を舞台に様々なメッセージや遊び心のあるイメージを残していきます。

また、「VANDAL」が数々の都市を訪れる「The Morning After」というシリーズは、パリ、ニューヨーク、ロンドン、ロサンゼルス、モスクワ、香港、シドニーなどの大都市を舞台にした、カラフルでポップなイメージが特徴的。ニック・ウォーカーの代名詞とも言えるこのシリーズは、今でもファンの間で根強い人気を誇ります。

「The Morning After – Paris」

 

「The Morning After – Moscow」

 

「The Morning After – Hong Kong」

 

「The Morning After – Sydney」

 

「The Morning After – London」

などなど、「VANDAL」によって彩られた世界各地の街並みは、非常に細かなステンシルで描かれています。この細部のクオリティと、大胆でカラフルな色使いがニック・ウォーカー作品の真骨頂とも言えるでしょう。

 

その他にも、モナ・リザや少女のイメージをステンシル技法で描いたミューラル(壁画)も代表的なイメージの一つです。

また、スタイリッシュな数字のイメージもよく登場します。このスタイルはアメリカ人ポップアーティスト「Jasper Johns(ジャズパー・ジョーンズ)」やストリートアーティスト「Jose Parla(ホセ・パルラ)」といったアーティストから影響を受けています。
マーティン・ワトソンもそうでしたが、ホセ・パルラのカリグラフィのような作風にインスピレーションを受けているストリートアーティストは数多くいるようですね。

こちらがそのホセ・パルラの作品。
現代の「Jackson Pollock(ジャクソン・ポロック)」とも言われているアーティストです。

NICK WALKERのプロフィール

1969年イギリス、ブリストル出身。1980年代頃から「3D(Robert Del Naja)」とともに、ステンシルグラフィティのムーブメントを作り出したパイオニア的存在です。
このブリストルで始まったムーブメントはバンクシーなどのストリートアーティストに多大な影響を与えました。タギングのようにフリーハンドで描いていくスタイルに加え、街中にステンシルで作品を残していく手法は、現在ではとてもポピュラーになっています。

1999年には映画界の巨匠 Stanley Kubrick(スタンリー・キューブリック)が監督した「Eyes Wide Shut」にて、ニューヨークの街中にあるグラフィティが描かれたストリートを再現するために、彼が招待されました。

さらには、ヒップホップグループ「The Black Eyed Peas(ブラック・アイド・ピーズ)」のミュージックビデオにもニック・ウォーカーの「VANDAL」が登場するなど、彼の作品はハリウッドセレブ達にも人気です。

2006年には「Moona Lisa」というスプレーペイント作品が、ロンドンのBonhamsというオークションで54,000ポンド(約800万円)の値を付けます。

さらに、2008年にロンドンの「Black Rat Gallery」で開催されたソロショーのオープニングでは徹夜組の行列ができるほどの人気に。そして、この展示では総額750,000ポンド(約1億円)もの売り上げを記録するなど、アーティストとしての地位を確立していきます。

また、2011年に彼の故郷ブリストルで開催されたストリートアートイベント「See No Evil」で制作した巨大ミューラルは、イベントの中で最も注目を集めました。実際にこのミューラルを見たことがありますが、その大きさとクオリティの高さはまさに圧巻でした。Nelson Streetに描かれたこの作品は、現在もまだ残っているはずなので、ブリストルを訪れた際はぜひご覧になっていただきたいです。

ニック・ウォーカーは、ニューヨークのマンハッタンにあるホテル「Quin Hotel」が主宰するアートインレジデンスプログラム「Quin Arts」に発足当初から選ばれているアーティスト。彼の他には「The London Police」や「Blek le Rat」などの有名ストリートアーティスト達がこのプログラムに招待されています。


2013年、このプログラムを元に彼が制作した15点ものオリジナルアートワークは、Quinのパーマネントコレクションとして収められています。

今でも故郷であるブリストルを拠点に活動していますが、精力的に世界各地を飛び回り作品を残し続けています。実は日本好きでも知られるニック・ウォーカーは度々来日し、ミューラルの制作や展示を開催しています。日本でも彼の作品を見られるチャンスがあるのは、ファンにとっては嬉しい限りですね。本人にも何度か会って話をしたことがありますが、イギリス人らしいとてもジェントルマンな人でした。ストリートアート界の大御所に日本好きと言われるとますます応援したくなってしまいますね。今後も彼の動向に目が離せません。

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